長崎新幹線に思う

長崎新幹線、正式名称は「九州新幹線・西九州ルート」です(一般には長崎新幹線がメジャー)。
長崎県・佐賀県以外の方は、この長崎新幹線についてはほぼ知らないかと思いますので、ざ~あっと!
紹介させていただきます。
長崎新幹線は既に開業している九州新幹線の新鳥栖駅から分岐し佐賀市、武雄市、大村市、諫早市を経由し長崎駅に至る整備新幹線です。
今までの新幹線と違うところは、新鳥栖から武雄までは在来線を走るというところです。
故に、現在工事しているのは長崎駅(長崎市)~武雄温泉駅(佐賀県武雄市)の間です。

整備新幹線計画から現在までの流れ
〇1972(昭和47)年        基本計画の決定(他には、東北新幹線、北陸新幹線や北海道新幹線など)
〇1985(昭和60)~1998(平成10) ルートの決定
〇2002(平成14)年        スーパー特急方式で認可
〇2012(平成24)年        フル規格で認可(この時点でフリーゲージトレインに決定)
本年7月25日
 JR九州は与党整備新幹線建設推進プロジェクトチームに対して、長崎新幹線(九州新幹線西九州ルート)へのフリーゲージトレイン導入は困難と伝えた。

◇現在長崎本線において885系振子車両で運行している「かもめ」                Nikon D600 
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◇ルート図
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なぜ、全線フル規格にしないのか?
武雄温泉~新鳥栖はなぜ、在来線なのか?
という疑問が出てくるんですが、それは佐賀県は新幹線は不要と宣言しているからです。
理由は後から書きますね。

◇鳥栖駅
                                             Nikon COOLPIX P330

新幹線の新鳥栖駅が開業しましたが、乗降客は新鳥栖駅の約5倍の利用客があります。
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◇肥前鹿島駅
   Nikon COOLPIX P330

長崎本線は全線125キロの内、肥前山口~諫早間61キロと西諌早~浦上間27キロの計88キロの区間が単線のため、特急でも離合待ちのための待合時間が生じます。
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◇肥前浜駅
                          Nikon D600

上りかもめを待つ、長崎行普通列車415系1500番台。
普通列車はうんざりするほど待合時間が長いです。
特急なら鳥栖~長崎間は1時間25分ほどですが、普通列車は3時間~3時間15分かかります。
東京からだと同じ距離を乗ると、ちょうど静岡県の沼津あたりで快速・普通列車乗り継ぎで3時間くらい(熱海が会社の境のせいか乗り継ぎ時間が悪い。「ムーンライトながら」 だと2時間で着きます)。
京都からだと姫路の手前まで新快速で1時間28分ほどの乗車時間となります。
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奥が長崎方面
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◇里信号所
Nikon D600 
多良~肥前大浦間の駅間距離が8.9キロと長いため、行違い施設が設けられている。
先ほど肥前浜駅で見送った、長崎行普通電車がすれ違いのために長時間停車していたので、原付バイクでも追いつくレベル。
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◇武雄温泉駅
Nikon COOLPIX P330

佐世保線の途中駅で全列車停車します。
新幹線工事区間の最北端駅です。
フリーゲージトレイン(FGT)の中継駅になる予定でしたが、JR九州がFGTをやめる宣言をしたので、九州新幹線で実績のある新八代での乗り換え方式を行うそうです。
写真ではおそらく、1番右側の線路が新幹線のレールになりそうです。
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◇新鳥栖駅構内
                                    PENTAX Q7

武雄温泉までフル規格にする場合、ここが分岐点になります。
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なぜこんなにたくさんの写真を載せたかというと、長崎本線の現状を知ってもらいたかったからです。
要は、単線区間があまりにも長いということです。
国鉄時代、東京から見放されていた九州は、本線の複線化が進まず、複々線に至っては北九州の西小倉から黒崎間に限られています(これは貨物線専用ですが)。
線路を増設するなど、経営基盤が弱かったJR九州にはできませんでした。
ちなみに首都圏の湘南新宿ライン、りんかい線、武蔵野線は元々貨物線だったものを貨物の需要が減ったため旅客線に転用した路線です。

崎県としては、どうしても新幹線が欲しい。
博多、大阪まで速くいきたい、という願いもあって、フル規格の新幹線を熱望しているのです。
一方、途中駅の佐賀県は「新幹線はいらない」という考えです。
理由は、博多に近く、かもめに乗り、乗車券とほぼ同じ金額の2枚きっぷで40分くらいで行けるからです。
新幹線建設には、地元の佐賀県は800億円の負担を強いられることが1番の理由です。

こんなこともあって、長崎県は完成していないフリーゲージトレインで時間短縮論を持ち出したり、今の段階になってミニ新幹線にするだの、2022年に開通を目指すというのに、未だ話が全くまとまっていないのです
元々、スーパー特急で認可された路線でしたが、鹿児島ルートの方がフル規格に変更され成功したものですから、長崎も黙っていられなかったんですね。

◇N700系AとN700系S
右側がN700系Sです。
JR東海が開発をして、そのおこぼれを長崎新幹線にも頂くみたいです。
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SONIC的には、最初からスーパー特急方式にすれば良かったのです。
「スーパー特急」とは、新幹線の路盤に在来線のレールを轢いて、時速160キロの特急を走らせるのです。
新幹線の路盤(施設)なので、踏切はないので安全で乗り心地が良いのです。
運行距離も有明海経由よりも6キロくらい短いので、現在の最速かもめで1時間48分ですから、おそらく1時間30分を切れるのではないかと思われます。
時速160キロ運転については、ほくほく線やスカイライナーですでに実施しているので、問題はありません。
新たに、車両を購入する必要もないので、予算もかかりません。
時間短縮効果は、元々の距離が短いので、効果は薄いんです。
人が来ないのは、街に魅力がないからです。
湯布院温泉や黒川温泉は、元々ひなびた無名に近い場所でしたが、地元の人たちの努力で、行きたい温泉地の上位にいつもランクインし、今や全国区になったのです。

◇ほくほく線の「はくたか号」
今は、北陸新幹線が開通したので走っていません。
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なみにミニ新幹線は、在来線の路盤に新幹線の線路幅の標準軌を牽き、フル規格の新幹線から直通させるものです。
路盤は在来線なので、電車(車両)の大きさは、在来線規格で、在来線の区間は最高速度が130km/hなのでミニ新幹線と呼ばれる所以です。
新幹線区間は、普通の新幹線と同じ速度で走れ、乗り換えが不要なことから、フル規格の新幹線から分岐した後の距離が短い路線に向いています。
秋田新幹線と山形新幹線がこのミニ新幹線です↓ ↓。
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幹線が開通した熊本市は、新幹線の利用が思ったより伸びずに、時間がかかる高速バス「ひのくに号」の乗客が増えたそうです。
熊本市の場合、JRの駅が市街地の西のはずれに位置し、人口が多い東部に高速道路のインターやバス停があるため、ほとんどのお客さんが終点の交通センターに着く前に降りてしまうこともあるそうです。
高速バスは繁華街や市街地に乗り入れることができ、運賃(料金)が安いことから、新幹線に対抗できるんですね。
都市によって、事情は違うと思いますが、新幹線に過大な(経済)効果を期待するのは、禁物かもしれませんね。

◇高速バス「ひのくに号」            SONY RX10 
JR新水前寺&熊本市電新水前寺駅前電停
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◇新地中華街
                              Nikon D700

長崎新地バスターミナルが近い
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◇繁華街の浜市アーケード
           
                                                   Nikon COOLPIX P330

全国でもめずらしい国道のアーケード商店街
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アーケードの西端(長崎県庁側)
今日も雨だった…
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この記事へのコメント

小雨
2017年07月30日 00:22
すご~い。
やっぱり好きなものについてはいろいろたくさん語ってしまいますよね。
分かります、分かります!

ミニ新幹線、可愛いですねぇ。
ピンク色ですかね?
九州を走ってるのかと思ったら違うんですね。
というか九州は東京から見放されてたという見方がSONICさんらしい見解ですね。
私は難しいことは分からないのですが、国鉄からJRにしたとき、細分化するのにどうしてそこで区切ったかなぁと思うところがあります。
何故京都はJR東海なんだ!ってところです。
大阪まででしたっけ?だから大阪で新幹線の運転士が代わりますよね。
岐阜くらいまででそこから西はJR西日本では?と思います。
素人考えですかね?(笑)
2017年07月30日 18:58
>小雨さん
そうですね。
やっぱり、SONICは鉄道が好きなんですね。
新幹線については、地元の住民の意見というより、政治色がかなり濃く、色んな利権がからんでの敷設というのが事実ではないかと思います。
運営するのは、JRなんですが、実際のところJRの意見はほぼ無視された状況で新幹線が作られるので、たまったもんではありません。
JR東海が自費でリニアモーターを建設すると宣言したのも、政治介入してほしくなかったからです。

九州は見放されていたというのも事実です。
国鉄時代、首都圏はきれいな電車がたくさん走ってましたが、九州は特急さえも東北新幹線開通後の東北でいらなくなった中古車両でした。

そう、JRに移行するとき「関門トンネルは維持にお金がかかるから九州で見てくれ」と押し付けられ、山陽新幹線も全くもらえず(一駅の利用は博多~小倉間は全国1位)、博多南線さえももらえませんでした。
JR九州はそんな感じで、もうけどころはホントなくてどうしようかと、考えたのが「楽しい列車をたくさん作って、お客さんに乗ってもらおう!」というのが、現在ゆふいんの森やソニックなどきれいな車両がたくさん走ってる訳なんです。

JR各社の境界は、先にも言ったように「強いところが良いとこ取りする」に尽きます。
東海道新幹線の東京~新大阪はドル箱ですからね~。
JR東海が持っていったのもそういうことなんです。
だから、小倉~博多はJR西日本が持っていったんですよ。
小雨
2017年08月01日 19:58
なんで、JR西日本に肩入れをしたいかというと以前JR西日本の株を持ってたんです。
民営化したときに買ったので、そこそこは儲かりましたが、やはりJR東日本や東海に比べると全然でした。
買った時は知らなかったんですよ。
京都や大阪は東海ってことを(笑)
いや~それ知ってたら買わなかったな。
もうちょっと頑張って東海を買ってた!
2017年08月01日 20:47
>小雨さん
東日本と東海は強いですよね~
やっぱり、東京を持ってるところは強いです。
全然頑張らなくても、お客さん来るんですよ。
のぞみをはじめとした、JR東海の新幹線、全部座席車両で食堂車、カフェテリアもなくなり、個室すらなくなりました。
そう、荷物置き場もないです。全部座席…。
速度だけは速くなってるけど、車両の魅力ゼロですね。
いつか、JR東海は見放される日がくると思うんです。
その点、山陽新幹線はいろんな車両があっておもしろいですよね~。

ZnS
2018年08月12日 01:23
間違いがあるので指摘します。
まず、スーパー特急はあくまで新幹線です。つまり、主たる区間を時速200km以上で走行する鉄道であるため、最高時速160kmではスーパー特急ではありません。
また、狭軌で時速200km以上で走行できる車両は日本国内には存在しないため、新規開発が必要です。この手の今まで開発経験のない車両開発は基本10年以上かかりますから、現実的ではありませんよ。
現にそれで失敗したのがフリーゲージトレインなのですから。
SONIC800
2018年10月30日 09:00
>ZnS様
返信が遅くなり申し訳ございません。
こちらのブログは現在休止中で、別ブログに移行していますので…

ご指摘ありがとうございます。
ZnS様は、文面からもかなり高い知識をお持ちだということをご推察いたします。

わたくしは、スーパー特急の施設で建設をして、とりあえず160キロ運転をすれば、予算は最小限で済むので、上記のように書かせていただきました。
将来的には、秋田新幹線の(台車が)狭軌版の車両を走らせれば、大きな開発はしなくても良いのかなと思います。

フリーゲージトレインは、かなり特殊な車両なので、開発は辞めた方がいいでしょうね。
スペインとは事情が違いますからね~。

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